クラブ活動レポート

都内のクラブの活動をご紹介します。

一般社団法人はむら総合型スポーツクラブ はむすぽ(東京都羽村市)「オンライン教室」ってどうですか?はむすぽ山田先生に聞いてみよう!

2021.02.22

オンライン教室に挑戦された山田先生に、様々な質問にお答えいただきました。

 

Q1.オンライン教室のニーズは、企画段階でありましたか?

企画段階ではまだありませんでした。
新型コロナの感染拡大の問題が少しずつ大きくなってくる中、まだオンラインの活用自体になれていない段階での企画であり、チャレンジでもありました。

Q2.オンライン教室を始めるのに、どのような準備が必要でしたか?

まず、私たち“実施する側”自体がZoom等のオンラインツールに慣れる必要がありました。
また、参加されるシニアの皆様の通信環境はどうなのか?それぞれの環境ごとに、どのように対応することができるのか?について、
シミュレーションを行い対応チャートを作成いたしました。
そして、説明会実施のための配布資料の準備です。文字だけの説明では伝わらないと考え、市販のマニュアル本のレイアウトなども参考にしながら、パソコン画面の実際の画像を活用しつつ操作手順のマニュアルを資料として作成いたしました。

Q3.実施にあたり、必須となる条件や設備(教えられる先生、パソコン、Wi-Fi等)を教えてください。

講師は、ある程度基本的なオンラインツールの操作方法に慣れておく必要があります。
これはスタッフ間での打ち合わせなどで慣らしておけば、すぐに対応できると思います。
パソコンは、それほど性能の高くないものであっても、ここ数年のパソコンであれば問題なく対応できると思います。古いものであれば、念のためテストをする必要があります(マイク機能が使えるか、カメラがついているかなど)。
Wi-Fi環境ですが、会場まで電波が届くかが問題となります。会場により、十分にWi-Fiの電波が届かないときは、スマホのテザリング機能を活用し、実施いたしました。Zoomのデータ消費量は1時間で約600MB程度なので、ある程度通信量に余裕のあるプランでスマホの契約をされている方は、テザリング機能の活用でも乗り切れるかと思います。

Q4.環境整備について、Wi-FiやZoomはクラブで契約しているのですか?

本プログラムを実施している段階では、クラブではWi-Fi契約はしていましたが、有料のZoom契約はしておりませんでした(後に、クラブで有料のZoom契約をいたしました)。
もっとも、クラブの事務所から会場までは距離が離れており、クラブのWi-Fiは現場で利用できません。そこで、下記の場面に分けて対応しました。
自宅で実施する際・・・Wi-Fi&Zoomは、講師個人の契約のものを使用しました。
体育館会議室で実施する際・・・体育協会のご協力を得てWi-Fiの電波をお借りしたり、講師個人契約のスマホのテザリング機能を使用するなどの方法を、併用して行いました。
Wi-Fiの電波が届きにくい状況では、データ通信量に余裕のある契約であれば、テザリング機能を利用することで問題なく進行できました。
今後、公共施設において、クラブの活動が促進されるためにも、Wi-Fiや5Gなどの情報通信手段がより活用しやすくなるとよいかと思います(フリーWi-Fiではなく、暗号化されたセキュリティーが高い手段の利用環境の整備と支援体制の確立)。

Q5.当日接続できない人がいた場合は、どのように対応しましたか?

今回は、欠席された方に実施回の動画を記録してフォローする方法はとっておりません。
もっとも、今後定期的に実施し、有料プログラム化した場合には、何らかのフォロー措置をとってよいかと考えます(記録動画データを共有するなど)。

Q6.参加料は徴収しましたか?徴収した場合、どのように行いましたか?

参加料は、全20回分でお一人500円(税込)です。初回受付時に徴収いたしました。

Q7.参加者の方の反応はいかがでしたか?最初と最後で、変化などはありましたか?

皆さん参加を楽しみにされており、毎回明るく楽しい雰囲気の中で実施できたと思います。
初めはまず接続方法にとまどいながらも、画面上の講師の指導に集中しつつ、しっかりと動いていただきました。最後の頃には、講師に見やすいようにカメラの位置を調節されたり、画面のオンオフを状況に応じて切り替えたり、オンラインツールの基本を十分に身につけてこられました。
また、外部の文化系セミナーに参加されたり、オンラインの集いに参加されたりと、本プログラムでの経験がきっかけとなって、さらに幅広くオンラインツールを活用され、生活の質を高める方も増えてきました。

Q8.事業を終えての感想(大変だったこと、よかったこと、今後に向けて等)

企画当初は、“シニア世代の方々にオンラインツールを活用していただく”という課題に直面しておりました。しかし参加希望者のお一人お一人としっかりコミュニケーションをとり、不安を共有しつつこれを払拭できるよう説明することができた後には、かつての“課題”はいつしか“当たり前のこと”となるまでに至りました。人と人とのコミュニケーションをとることの大切さは、どのような環境においても、いつの時代においても共通するものだと実感いたしました。
※なお、お一人お一人とのコミュニケーションの方法として活躍してくれたものは、元祖リモートツールともいうべき「電話」でした。

 

今後もはむすぽとしては、オンラインプログラムを継続していきたいと考えております。
プログラムの種類もさらに増やしながら、会員の皆様のニーズに合わせて有効に活用していきたいです。

なお、今後各クラブでオンラインプログラムを実施することがさらに促進されるべきと考えます。その後押しの意味としても、本事業において、「Zoom」その他のオンラインツールの有料契約も、事業経費として承認いただくことを希望いたします。

Q9.オンライン教室を検討しているクラブさんに、メッセージをお願いします。

先行して実施している立場としては、やはり「やってみてよかった」と感じております。
オンラインの利点としては、場所の移動なくして家の一角で参加することができることが大きいです。これは、参加者はもちろん実施側・講師にも大きいメリットです。移動その他の時間の制約から解放されるため、今までプログラムの実施が難しいと思われていた時間帯や曜日にも実施できるようになる可能性があります。

また、新型コロナウイルス等の感染症のリスクが高い時期には、外出できずに運動量・活動量が急激に減少している方が続出しており、“運動不足のために”健康を害するリスクもまた高まっております。クラブ周辺の多くの外出を控えておられる方々に、適切な運動の機会を提供するためにも、ぜひオンライン教室を実行し、実現させてみてください。

まずはオンラインにて、スタッフ間の“飲み会”あたりから気軽に慣らしていくとよいかもしれませんね。