スポーツクラブの運営における7つのポイント

目的の明確化

地域スポーツクラブとしての共通の目的を持ちましょう。「どんな地域スポーツクラブを目指すのか」や「地域社会にどのようなことなら貢献できるか」などについて、会員全員で話し合い、その目的をしっかりと認識・共有し、活動を継続していきましょう。

運営スタッフと指導者

地域の中には様々な能力を持った人がいます。情報処理や経理などの能力がある人、スポーツ指導ができる人などを取り込んでいき、それらの能力を地域スポーツクラブの運営に活かしてもらい、みんなで協力して運営を行いましょう。地域のスポーツ推進委員、地区体育・スポーツ協会、スポーツ少年団、学校関係者などに積極的に参加を呼びかけ、運営や指導体制の充実を図りましょう。

また、クラブで運営スタッフ・指導者を養成していくことも求められます。

運営スタッフの人材育成と資質向上のため、東京都スポーツ協会では、人材養成・指導者研修事業を実施しております。こちらにもぜひ参加してみましょう!

活動拠点「クラブハウス」

地域スポーツクラブは、地域のスポーツ活動の場であるだけではなく、地域住民の活発な交流が期待されるコミュニケーションの場となります。したがって、安定的に活動できる活動拠点を確保することは、地域スポーツクラブの活動を充実させるために重要なことです。

活動拠点の確保の一例として、学校施設、廃校施設、公共施設の一部を利用する方法があります。

また、クラブライフを楽しむための交流の場として、クラブハウスを完備することが理想です。

活動プログラム

地域スポーツクラブの活動プログラムは、子どもから高齢者、障害者、また初心者から上級者など、地域住民のニーズに対応したものであることが大切です。

  • 数多くの種目を実施する。
  • 活動日数や時間を、それぞれのレベルに合わせて実施する。
  • それぞれのレベルに合わせることのできる指導者を準備する。
  • 世代間の交流プログラムなど、会員間のコミュニケーションの場を提供する。

など、活動プログラムを工夫し、充実・発展させていきましょう。

東京都スポーツ協会では、指導者派遣事業など、地域スポーツクラブを支援する体制を整えています。事業内容やお申し込み方法などは、東京都スポーツ協会にお気軽にご連絡ください。

財源の確保

活動資金をどう調達するかは、地域スポーツクラブの運営及び発展といった点から、とても重要なことです。クラブの収入には次のようなものが考えられます。

1. 会費収入

会費は地域スポーツクラブの財源の根幹になります。個人単位、グループ単位や家族単位、あるいは団体単位など、多様なバリエーションの設定についても工夫する必要があります。収入と支出のバランスを考え、長期的な視点で適切な会費を設定するように心がけましょう。

2. 事業収入

地域スポーツクラブで行う、各種スポーツイベントやスポーツ教室などの事業収入があげられます。これらの事業収入を、新たな事業に利用することで、クラブの規模の拡大や活動の充実が可能になります。また、バザーやリサイクルなど地域行事に参加して収入を得る方法もあります。

3. 受託事業収入

行政や各種団体から、スポーツイベントやスポーツ教室等をクラブが受託・運営し、クラブの事業収入とすることが可能です。また、学校の体育施設や公共スポーツ施設の運営・管理をクラブが受託することは、財源の確保とともに活動拠点の確保といった点からも、地域スポーツクラブの運営に効果的です。

4. 寄付金・協賛金収入

地元の商店や企業に、地域スポーツクラブが、どのような組織で、何を目的に、どのような活動を行っているか、また、スポンサーとなることでどのようなメリットがあるのかなどを理解してもらい、寄付金・協賛金を募る方法があります。寄付金や協賛金を募るためにも、日頃から、活動の透明性に努め、活動の目的、内容等を会員以外の地域住民の皆さんにも理解してもらうように工夫していきましょう。

5. 助成金等

スポーツ専門、総合型地域スポーツクラブへの助成金もありますが、社会貢献事業に対する助成金は幅広く、様々な分野の助成金を受けることが可能です。

情報発信

地域住民の皆さんに、クラブの目的や活動内容を知ってもらい、参加者や理解者になってもらうため、クラブ情報を発信していきましょう。情報発信の主な手段として、以下の方法があります。

1. 広報誌・リーフレットの発行

広報誌や会報を定期的に発行することで、会員への情報提供とともに、地域住民の皆さんにクラブの理解を深めてもらえます。リーフレットの発行は、クラブの目的や活動内容、入会方法などを分かりやすく紹介することができ、特に入会を希望する人によいPRとなります。

配布については、学校や自治会等の協力を得るなど工夫するとよいでしょう。

2. ホームページ・SNSの活用

地域スポーツクラブでホームページを作成することにより、住民への活動情報の提供、年間スケジュールやイベント、入会案内、指導者、ボランティアスタッフの募集などの情報をインターネット上で提供できます。また、SNSの活用も効果的です。

3. ローカル・メディアの活用

地域には、区市町村で発行している「広報誌」や「ケーブルテレビ」「コミュニティーFM」など、地域の情報を発信しているローカル・メディアがあります。これらを積極的に利用していくことで、地域住民に情報を提供することができます。

なお、都内地域スポーツクラブの紹介は、このホームページでも行っております。こちらも、ぜひご活用ください。

年間報告書と1年間の事業の評価

クラブの公益性、透明性を高めるためにも、年間報告書(事業報告書・会計報告書)を作成し、会員に報告しましょう。また、1年間の活動を自己評価し、次年度の活動につなげましょう。自己評価をしっかり行っていくことが、外からの評価にもつながり、地域スポーツクラブの社会的信用を高めることになります。

また、1年間の事業の評価を行うために、日ごろから各種会議の議事録やイベント・教室活動の記録をとるようにしましょう。

「誰もが主役」の地域スポーツクラブ。活動や特徴もさまざまです。地域住民みんなで、クラブのカタチをつくって行きましょう。

なお、地域スポーツクラブの運営でお困りのことがありましたら、東京都スポーツ協会にご連絡ください。

東京都スポーツ協会